BMC 第5世代 Teammachine SLR01 FOUR (サイズ510) – 重量と設計等詳細の検証 

今回、BMCのフラッグシップモデルである「第5世代Teammachine SLR01 FOUR」のアルテグラ Di2 完成車(サイズ510)を梱包状態から分解し、
フレームを中心とした各部の実測重量および設計詳細を検証しました。メーカー公称値との比較やカタログだけでは分からない細部の特徴について検証しました。

 


Ultegra Di2仕様のSLR01 Four  1,446,500円

各部コンポーネントの実測重量

メーカー公称値と実測値を比較し、その差異についての考察。
 各部の実測値は記事最下部に掲載。

■ フレーム重量

  • メーカー公称値: 700g (サイズ540、塗装済み) 
  • 実測値 (サイズ510):736g 

【計測条件】 

  • 前後ディレイラー台座、シートクランプ関連部品(ボルト・プレート)は装着した状態で計測。 
  • プレスフィットBB(SM-BB72)は装着したままのため、参考重量70gを差し引いて算出。
  • ボトルケージボルト、ディスクブレーキホース用のスポンジチューブは取り外しています。 

【考察】 サイズ510での実測値は736gとなり、サイズ540の公称値より若干重い結果となりました。公称値との差は、主に付属パーツの有無及び個体差によると考えられ、公称値との大きな乖離は認められない。前作と比較しフレーム全体がスリムに。各チューブ角ばった形状もやわらぎ、BB周りのボリュームもダウンしすっきりとした印象。ロゴデザインも含め軽量化・空力に寄与しつつも剛性は同等ということで驚愕の進化を遂げています。
※47サイズにはシートチューブ後方・シートクランプボルト付近のロゴは無し。

■ フロントフォーク重量 

  • メーカー公称値: 339g 
  • 実測値:366g

【計測条件】 

  • 完成車に付属する未カットのコラム長(ハイコーンスペーサー30mm+スペーサー30mm分)で計測。 

【考察】 実測値は公称値より27gの増となりました。これは、コラム内部に充填されている発泡フォームが重量に加算されている可能性が考えられます。

■ シートポスト重量

  • メーカー公称値:134g
  • 実測値:127g

【計測条件】 

  • ヤグラ(サドルクランプ)および固定ボルト類を含んだ状態で計測。 

【考察】 シートポストは公称値よりも7g軽い結果となりました。こちらも前作と比べ薄くスリムになっており、安全に使用するための最低挿入長は80mmと定められており、ポスト下端には警告を示すピクトグラムが記載されています。

フレーム設計の特徴とディテール

■ 徹底された左右非対称(アシンメトリック)設計 

  • フロントフォーク:パフォーマンスを最大化するため、フレーム各部に緻密な左右非対称設計が施されています。
    ディスクブレーキの制動力がかかる左側のブレード幅が約50.5mmであるのに対し、右側は約43mmと、明確なボリューム差が設けられています。これにより、ブレーキング時の剛性とハンドリングの安定性を両立させていると考えられます。 フォークブレードは前作と比較し後ろ側のカットアウトの面は狭くなっており空力的改良を感じられます。
  • チェーンステイ: ドライブトレインからの応力に対応するため、チェーンステイも裏側から見ると顕著な左右非対称形状となっています。

■タイヤクリアランス

メーカー公称値: 最大32C

  • 実測幅32mmのタイヤ(VITTORIA RUBINO 32C)を装着したホイールで検証したところ、前後ともに十分なクリアランスが確保されていることを確認しました。特にフロントフォーク周りは上下左右に余裕があり、リアも実用上問題ないクリアランスが保たれています(フロントよりはややタイトな設計)。

メンテナンス・組立時の留意点

■ プロテクションとケーブルルーティング

  • 完成車にはフレーム保護のため、各所に透明な保護テープが貼付されています。特にチェーン落ちのリスクがあるBB周りやディスクローターと擦れやすいリアのブレーキ台座付近には、厚手の保護ステッカーが採用され、保護対策が強化されています。
  • 前後ディレイラー台座には、Di2ケーブルを収めるための溝が設けられていますが、比較的タイトな設計です。

(参考)梱包について

  • 画像は梱包されたまま箱から出した状態。
    世界的な環境配慮の流れを受け、梱包は再生紙を主とした非常に簡易なエコパッケージとなっています。箱内部には空間が設けられ、外部からの衝撃によるダメージは受けにくい構造となっています。

ご購入やメンテナンスの際の参考となれば幸いです。

実測重量(g)

51サイズ  完成車:(ペダルなし・ボトルケージ含む)7.1㎏
※計測したもののみ
フレームセット   シート固定用部品含む 前後台座含む ケージボルト除く   736 
フロントフォーク   51 完成車初期状態/受けメタルプラグ別   366 
スルーアクスル F   L115 M12xP1.0 スレッド長 10   23 
スルーアクスル R   L158 M12xP1.0 スレッド長 10   29 
ICS ハンドルセット   51 完成車初期状態/キャップおよびゴムカバー除く 400-100   392 
コラムプラグ   アルミ製シルバートップキャップの受け側としてコラムにねじこむ  3 
ヘッドセット一式   ヘッドセット一式 ハイコラムとスペーサークランプ補助アルミ部品 ICS コックピットのゴムカバー   137 
シートポスト   サイズ感としては 30.0x23.6 のカムテイル形状   127 
バッテリーアダプタ   ラバー製 シマノバッテリーをポスト内に格納のするためのもの   8 
ボトルケージ   ダウンチューブ側 (TemamachineR01用と同品)  41 
ボトルケージ   シートチューブ側 (TemamachineR01用と同品)  25 
ホイール F   CR40SL 622x21 TLR チューブレステープ/バルブ除く   698 
ホイール R   CR40SL 622x21 TLR チューブレステープ/バルブ除く   872 
ボトルケージボルト   1 本あたり (×4  2 
F メカ台座   固定ボルト 2 本含む   9 
R メカ台座   シマノダイレクト ボトル 1 本含む   13